導入
IT導入、IT経営、DX、デジタル経営という言葉の違いは、「IT経営・デジタル経営の基礎」で整理しています。この記事では、現在のITや業務をどのように経営判断へつなげていくかを説明します。
一本道として考えない
IT経営からデジタル経営への広がりは、すべての会社が同じ順番で進む一本道ではありません。
現在のIT、業務、情報、契約、費用を把握し、会社の目的に合わせて判断できる状態を整えることが出発点です。
そのうえで、必要に応じて顧客への価値提供や事業の進め方まで見直します。
出発点は、現在のITと運用を把握すること
デジタルを活用した新しい取り組みを進める場合も、現在の状況が分からなければ判断できません。
- どのシステムやサービスを使っているか
- どの業務で使っているか
- 誰が管理しているか
- どの程度の費用がかかっているか
- データはどこにあるか
- 同じ情報を複数の場所で管理していないか
- 障害時に業務を続けられるか
現在の状態を把握することは、新しいことを始める前の準備であると同時に、不要な契約や重複した作業を見直す機会にもなります。
視点を広げる4つの変化
費用管理から、投資判断へ
「いくらかかっているか」だけでなく、「何を実現するための費用か」「どのような効果やリスクがあるか」を確認します。
削減だけを目的にすると、必要な仕組みまで失う場合があります。残すもの、見直すもの、やめるものを分けて判断します。
個別ツールから、情報の流れへ
部門ごとに便利なツールを導入しても、情報がつながらなければ、転記や確認が増える場合があります。
顧客、受注、提供、請求、会計など、業務をまたいで情報がどのように流れているかを確認します。
担当者の問題から、経営と現場の共通課題へ
ITを担当者だけの問題にせず、経営課題と現場の業務をつなげて考えます。
経営者は目的と優先順位を示し、現場は実際の業務と負担を共有し、IT担当や外部支援者は実現方法と運用を整理します。
一度の導入から、継続的な見直しへ
事業、顧客、働き方、サービスは変化します。導入時に適切だった仕組みも、時間がたてば合わなくなることがあります。
利用状況、費用、効果、現場の意見を定期的に確認し、必要に応じて見直します。
3つの段階
- システム、サービス、契約、費用、データ、担当者、業務の流れを見える状態にする
- 経営課題、効果、費用、リスク、現場負担を比較し、判断できる状態にする
- 判断した内容を実行し、運用へ組み込み、変化へ対応できる状態にする
デジタル経営は、一度理想的な仕組みを作れば完成するものではありません。
現在の状況を確認し、判断し、実行し、見直す流れを続けることが重要です。
経済産業省のデジタルガバナンス・コードも、DXを一度限りのシステム導入ではなく、経営ビジョンや企業価値向上と結びつけ、継続的に取り組む経営上の課題として整理しています。
自社の場合を整理したい方へ
ITやDXの取り組み方は、会社の目的や現在の業務によって異なります。何から考えるべきか整理したい場合は、IT方向性ミーティングで現在の状況と次に考える順番を確認します。